FXで利益が出た~!
初心者でも手軽に試せるFXなら、そんな喜びを味わうことが出来ます。
でも。
利益が出たら気になるのは税金ですよね。
一定金額を超えると確定申告が必要になるのですが、
職種や立場によってその金額は変わってきます。
うっかりそのままにしておくと「脱税」になってしまうので、しっかり調べておきましょう。
この記事では
- 収入・職種別の確定申告が必要な金額はいくらから?
- 税金の計算方法
- 確定申告のやり方
についてお伝えします!
2020年度分(令和2年度分)から変更になっている部分もありますので、しっかりチェックしましょう!
Contents
全ての方に共通する確定申告の注意事項
職種別にお伝えする前に、すべての方に共通する大切なことをお伝えしますね。
確定申告の対象となる期間
確定申告の対象になる期間は、1月1日~12月31日です。
例えば、FXを行った期間が2020年5月~2021年2月の場合で、それぞれの年で対象となる金額を超えている場合は、
2020年と2021年両方の年度の確定申告が必要になりますのでご注意ください。
確定申告の対象となる金額
税金が課されるのは、FXによる利益から経費と損失を引いた金額です。
つまり
利益ー経費ー損失=税金対象金額
となります。
かかった経費が高ければ高いほど、節税になりますよ。
経費には
- 振込手数料
- 取引手数料
- 関連書籍の購入
- インターネット通信費
などがあります。
普段から、かかった経費の領収書を保管し、きちんとメモしておくようにしましょうね。
通信費は、FX以外にも使用することが多いでしょうから、経費に計上する時は全額ではなく、利用状況に応じて、実際にかかった金額の30%などと計算する必要があります。
節税方法に関しては、こちらで詳しく説明していますので、ぜひ参考にしてくださいね。
ここから先では、「FXによる利益」というのは、利益ー経費-損失で算出した金額を指します。
所得の種類
FXで得た利益は、「雑所得」に分類されます。
課税方法には、
- 所得の種類とは関係なくすべて合算して課税される「総合所得」
- 他の所得と分けて課税される「分離課税」
のふたつに別れますが、FXの課税方法は「分離課税」で「申告分離課税」というものが適用されます。
難しい言葉が多いですが、要は、「雑所得」に当たる、ということだけ覚えておけばOKです!
確定申告が必要な金額はいくらから?職種別に解説
確定申告が必要になる金額はいくらからなのでしょうか?
職種や立場によって変わってきますので、それぞれの場合を見てみましょう。
会社員の場合
給与所得のある会社員の場合は、
FXによる利益が20万円以上の場合、確定申告が必要です。
ちなみに、通常、FXは「副業」にはなりません!
ですから、会社で「副業禁止」という場合でも当てはまらないケースがほとんどです。
(会社の規則に「FXや投資は禁止」となっている場合もありますので詳細は必ず確認しましょう。)
今までと同じように働きながら、空き時間でFXで収益を得ることが出来たら何よりですね!
主婦・学生(パート・バイト無し)の場合
世帯主の扶養家族で、収入のない主婦や学生の場合、
FXによる利益が48万円以上の場合、確定申告が必要です。
これは確定申告の基礎控除額が48万円だからです。
(※基礎控除額とは、全ての納税者が課税標準額から差し引くことが出来る金額のこと)
【注意事項】
2019年度までは、基礎控除額は38万円だったのですが、2020年度からは48万円に改正されたため、それに伴って、確定申告が必要な金額も48万円に変更になりました。
主婦・学生(パート・バイトあり)の場合
パートなどで55万円以上の収入がある方は、給与所得があると見なされます。
これは給与所得控除額が55万円だからです。
ちなみに、2019年度までは65万円以上だったのですが、2020年度から55万円以上に変更になりました。
ですから、給与所得のある会社員の場合と同じく、
FXによる利益が20万円以上の場合、確定申告が必要です。
55万円以下の場合は「パート・バイト無し」と同じ計算になります。
(ちょっとややこしいですね・・・)
そして学生の場合は、さらに勤労学生控除27万円を適用することが出来ます。
詳しくはこちらを参照してくださいね。
自営業・フリーランスの場合
自営業やフリーランスの方は、
すべての所得の合算が48万円を超えた場合、確定申告が必要です。
ただし、FXを専業でやっている場合は、雑所得ではなく事業所得に該当するケースもありますので、
所管の税務署に確認してください。
年金受給者の場合
年金収入が400万円以下で、FXによる利益が20万円以上の場合、確定申告が必要です。
年金収入が400万円以上の方は、FXに関係なく確定申告が必要です。
FXの税金はいくら?税金の計算方法
では、FXで出た利益に対する税金はいくらなのでしょうか?
FXで出た利益には、金額に関係なく一律20.315%の税金がかかります。
内訳は
- 所得税15%
- 住民税5%
- 復興特別所得税0.315%
となります。
つまり、FXによる利益の税金の計算方法は以下のようになります。
FX年間利益(利益ー経費ー損失)×20.315%=FX税金
実際にFXで利益が出たときに税金がどれくらいになるのかは、下の表を参考にしてください。
会社員の場合は20万円以上から確定申告が必要ですので、20万円からの計算式です。
確定申告の方法 基本のキ
さあ、ここまでわかったところで、実際の確定申告はどうやるのか、基本的な部分を見ていきましょう。
電子提出?書面提出?
確定申告書の提出方法には、
- ネットで提出できるe-Tax
- 書面で提出する従来の方法
があります。
e-Taxは最近利用者が増えているし、税務署も推奨していますが、実際は、マイナンバーカードとカードリーダーが必要なので、事前準備に時間と手間がかかります。
FX初心者だし、煩雑な手続きは出来るだけ避けたい!という方には、従来通りの書面で提出する方法をお勧めします。
確定申告に必要な書類は、所管の税務署に行けば簡単に一式手に入ります。
また、国税庁のHPからダウンロードすることも出来ますよ。
また書面での提出方法は、
- 郵送で提出
- 税務署へ直接持参して提出
の2通りがあります。
郵送は並ばなくていいので楽ではありますが、間違いがあったり書類に不備があったりすると二度手間になります。
ですから、初心者は直接税務署に持参することをお勧めします。
不明点があれば、その場で質問することも出来ますよ。
地域差もありますが、締め切り間近は大変混雑しますので、余裕をもって提出したいですね。
しかし、もともと青色申告をしている・・という自営業の方などは、e-Taxをお勧めします!
実は、2020年度から青色申告特別控除額が10万円減額されて、65万円から55万円になります。
ただし、e-Taxを利用して申告すれば、従来通りの65万円の控除を受けることが可能なのです!
ご自分に合った申告方法を選んでくださいね。
FXの所得に使う確定申告の書類は?
FXの確定申告に使う書類は全部で5種類です。
- 確定申告書B 第一表と第二表(確定申告する人は全員提出する)
- 第三表(分離課税用)
- 先物取引に係る雑所得などの金額の計算明細書(国税庁HP)
- FXの年間取引報告書(取引口座のあるFX会社から取り寄せる)
- 源泉徴収票(給与所得、公的年金などの収入がある場合)
1~3までは税務署で手に入れるか、あるいは、国税庁のHPからダウンロードしてください。
3の「先物取引に係る雑所得などの金額の計算明細書」はHPではなかなか見つからないので、リンクを貼っておきました。
ぜひ参考にしてくださいね。
確定申告の期間は?
確定申告の期間は、例年、2月中旬から3月中旬までです。
毎年微妙に変わるので、国税庁のHPで確認しましょう。
2020年は、コロナウイルスによる影響で、特別に4月16日までに延長され、さらにその期間でも申告が難しかった場合は、それ以降でも柔軟に受付をしてくれることになりました。
このように特殊なケースもありますので、必ずその年の期間を確認するようにしましょう。
FXの確定申告はいくらから必要?まとめ
確定申告が必要なFXによる利益をまとめると
- 会社員:20万円以上
- 主婦・学生(パート・バイト無し):48万円以上
- 主婦・学生(パート・バイトあり):20万円以上(収入が55万円以上の場合。学生は勤労学生控除あり)
- 自営業・フリーランス:所得の合算が48万円以上
- 年金受給者:20万円以上
となります。
(すべて2020年度以降)
ご紹介しましたように、2020年度からいろいろな税制が変わりますので、しっかりチェックしましょう!
FX口座を作る時に、マイナンバーを申告していますよね。
これによって、あなたのFXでの収益は、FX会社から税務署に報告されています。
ですからうっかり申告を忘れると、延滞金などが加算されてしまうので注意してくださいね。
とはいえ、税金を納めるくらいの収益があるというのは素晴らしいことです!
しっかり稼いでしっかり税金を納めましょうね!